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セミナー ナノインプリント

1月ナノインプリント講演予定

1/25(金)にサイエンス&テクノロジー主催「反射防止フィルムの設計・要求特性と高機能化技術 ~防汚・耐指紋性・モスアイ技術~」セミナーにおきまして、「モスアイ構造による反射防止フィルムの高機能化技術」をテーマに講演いたしまします。

日 時:2013年1月25日(金)11:00-16:30
受講料:1名47,250円(消費税込、昼食付き・資料付)
*同一法人申し込みの場合複数人割引きあり
会 場:東京・大田区平和島 東京流通センター 2F  第3会議室
<東京モノレール> 「流通センター駅」すぐ
詳 細:http://www.science-t.com/st/cont/id/20752

ナノインプリント

有機ELの光取出し②

 前回(有機ELの光取出し①)の続きとなります。

 モスアイ構造が表面にある場合の光取出しに対する影響についてを説明しますが、今回はその前にモスアイ構造による屈折率変化について触れたいとおもいます。

 モスアイ構造による反射防止機能は、「光の波長より小さな構造は、屈折率の変化を緩やかにすることが可能であり、これによって反射を大幅に低減できる。」と説明しています。「屈折率の変化を緩やかにする」とは、光がモスアイ構造を通過している時に屈折率が下図のように変化している状態になります。

 

 変化を緩やかにする状態を多層膜で表現すると下図になります。モスアイ構造を厚み方向に等分して、等分した層の屈折率を空気層と樹脂層の割合から計算します。モスアイ構造の高さが200nmだとすると、50nmの厚みの層が4層あり、屈折率が0.1ずつ増加している層構成となります。

界面の屈折率変化が1.0→1.5となると反射率は4%なのに対し、1.0→1.1だと0.23%となります。(入射角0°の場合)
1.1→1.2、1.2→1.3、1.3→1.4、1.4→1.5の変化でも0.2〜0.1%となります。単純な足し算でも約0.8%となり、段階的な変化による効果は絶大です。(実際には、各層の厚みや波長、反射光の影響が発生します。)

 モスアイ構造の反射率へのシミュレーションは、原理的にはこのような方法を用いて計算しています。下図のようにさらに細分化して計算することで、精度を高めることができます。

 今回は、計算が簡略にできるので、屈折率の変化が一定である条件で説明しています。直線的な変化ですが、モスアイ構造の形状によっては、直線にならない場合もあります。  反射防止機能で見た場合には、直線的な変化が理想的になるとは限りません。モスアイ構造の高さやターゲットとする波長、樹脂の屈折率等の影響を受けます。

 イノックスでは、有機ELの光取出しに関連するナノインプリント金型やフィルムサンプル(基材:PET、ガラスなど)を取り扱っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

ナノインプリント

有機ELの光取出し①

 モスアイ構造やマイクロレンズ構造による有機ELやLEDの光取出し効率の向上については、多くの研究にて効果の実証がなされてきました。有機ELやLEDの発光効率を低減している大きな要因として『全反射』という現象があります。これは、屈折率の高い材料から低い材料へ光が移動する際に発生する現象があります。この現象を応用し光を閉じ込め伝達する方法が光ファイバーなのですが、有機ELなどにとっては迷惑な物理現象です。この『全反射』のによる光取出しへの影響に関して解説したと思います。

 

 有機ELの場合を想定しガラス基板内からの光が空気中に出る場合では、スネルの法則により屈折角θ2は入射角θ1よりも大きくなります。入射角を大きくしていくと、計算上では屈折角が90°以上なっていしまいます。この状態では、光はガラス基板から出ることができなくなり、界面で光がすべて反射してしまう『全反射』と呼ばれる現象が発生します。屈折角がちょうど90°になる入射角を『臨界角』と呼び、屈折率からスネルの法則を用いて導き出すことが可能です。ガラス基板の屈折率を1.5とすると臨界角は41.8°となります。

図、ガラス基板から空気中へ光が進む場合の界面での反射率

 入射角が臨界角以上になると、全反射が発生することから反射率は100%となり、上図の様な反射率のグラフとなります。ガラス基板と空気の界面だけでも半分以上の光が閉じ込められることとなります。実際の有機ELでは、発光層→透明電極→ガラス基板と複層を通過する為に、ガラス基板まで達する光は減少していますので、実際の外部発光効率は約20%程と言われています。
 
今回は、構造がない場合について解説しましたが、次回はイノックスでも取り扱っているモスアイ構造による影響を解説する予定です。

 

 イノックスでは、有機ELの光取出しに関連するナノインプリント金型やフィルムサンプル(基材:PET、ガラスなど)を取り扱っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

ナノインプリント

モスアイBOX

先日「かがくdeムチャミタス!」で取り上げられましたモスアイフィルムを屋外にて撮影しました。

黒い枠内に2種類のフィルムが入っていますが、右側に空の映り込みがあるのに対して、左側は何もないかのように見えています。両面にモスアイ構造を持たせることでより反射を低減することが可能です。

セミナー講演や弊社にお寄りの際に実際に見て体験していただければと思います。

イノックスでは、モスアイ構造のナノインプリント金型やフィルムサンプル(基材:PET、ガラスなど)を取り扱っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

スタンダードモスアイ金型スペック

*要求仕様がスタンダード製品と異なる場合は、基本的にカスタム製品 とさせて戴きます。
*上記、スタンダード製品以外にも、お客様の仕様に応じてカスタマイズ可能です。
*カスタマイズ製品に関しては、光学設計より承っております。

ナノインプリント

スタンダードモスアイ金型解説その2

スタンダードモスアイ金型解説その1
モスアイ金型のスペックの解説第二弾です。


上の表は前回同様の『HT-AR-05シリーズ』のスペック表です。
その中にピッチとピーク間距離の項目がありますが、今回はこれらの解説です。


干渉リソグラフィーの干渉波では、線上の構造しか描画できません。しかし、二重露光を行うことによってモスアイ構造を作り出すことができます。上の図で緑色の点線は干渉波によって描かれる線を示しています。図では、平行な点線が2種類あり互いに交差しているかと思います。

一方の平行な線が一回目で露光され、二回目の露光で交差する平行な線が露光されます。この二つの組み合わせでモスアイ構造のような凹凸が描画される仕組みです。

『HT-AR-05シリーズ』では、この平行な線の間隔のことをピッチと呼んでいます。また、モスアイ構造の最短の間隔をピーク間距離と呼んでいます。

ナノインプリント 展示会

機能性フィルム展にお越し頂きありがとうございました

8/3(金)に大阪産業創造館にて開催されました機能性フィルム展に出展しましたが、その様子が入手できました。小さな会場ながら賑わっており、イノックスブースへも多くの方に足を運んでいただきありがとうございました。

 
     イノックスブースの様子               展示会会場の様子

 

P.S. 8月開催のセミナーも現在募集中です。講師割引も可能ですので是非ともお問い合わせ下さい。
詳細⇒8月ナノインプリント講演予定

 

ナノインプリント

スタンダードモスアイ金型解説その1

先日リリースしました『HT-AR-05シリーズ』などの弊社で取り扱っているモスアイ金型のスペックについて解説します。
【新製品情報】スタンダードモスアイ金型

上の表は『HT-AR-05シリーズ』のスペック表です。
配列は六角形ハニカム配列と表記していますが、下図の様な配列になっています。

干渉リソグラフィーの二重露光によって作り出されているモスアイ構造ですが、その配列は平面最密充填である六角形ハニカム配列を取ります。
配列の間隔などによってモスアイ構造同士の間隔が決定されます。どの様に関わってくるかは、次回解説する予定です。

セミナー ナノインプリント 機能性フィルム

8月ナノインプリント講演予定

8月にナノインプリントに関するセミナーの講演を予定しております。

題 名:LED照明の均一面発光に向けた 輝度向上・光拡散技術とムラ軽減
内 容:LED照明の拡散フィルムへのナノインプリントの応用開発
主 催:株式会社技術情報協会
日 時:2012年8月31日(金)10:15~16:40
受講料:1名につき63,000円(消費税込み・昼食、資料付き) 
    ※1社2名以上同時申込の場合1名につき57,750円
会 場:[東京・王子]北とぴあ8F 802会議室

詳細・申し込み:http://www.gijutu.co.jp/doc/s_208408.htm

ナノインプリント

【新製品情報】スタンダードモスアイ金型

 スタンダード製品『HR-ARシリーズ』の国内販売を2010年8月より正式に開始しておりますが、この度最新スペックである『HT-AR-05シリーズ』をラインナップしました。『HT-AR-05シリーズ』は、300mm x 300mm (有効:280mm x 280mm)と比較的大面積なサイズであり、反射率も0.5%以下と低い反射率を実現しています。

<HT-AR-05シリーズ仕様>

*要求仕様がスタンダード製品と異なる場合は、基本的にカスタム製品 とさせて戴きます。
*上記、スタンダード製品以外にも、お客様の仕様に応じてカスタマイズ可能です。
*カスタマイズ製品に関しては、光学設計より承っております。

詳細は、下記プレスリリースをご参照願います。
http://www.innox.co.jp/news/2012/news13.html

 

ナノインプリント

新たなタイプの構造の取扱いを始めました


この度、イノックスでは写真の様な構造の金型等の取扱いを開始しました。
ピラー構造のような干渉リソグラフィーでは製造が難しい構造に関しても、提供が可能になりました。
詳しくは、下記のイノックスHPで紹介しております。
http://www.innox.co.jp/division/functional_films/nanoimprint/mould.html

新規取り扱い構造の金型に関しての詳細やご要望が御座いましたら、お気軽にお問合せ下さい。